レッドブルPR?ザルツブルク加入の三都主「難しい選択だった」古巣の浦和で移籍会見

「レッドブル翼を授ける~」の個性的なCFで有名な、欧州のキングセラードリンク「レッドブル」。このブランド名を掲げたフットボールクラブに、今年2名の日本人フットボーラーが移籍を果たした。元浦和レッズの三都主アレサンドロ選手と元ガンバ大阪の宮本恒靖選手だ。

私自身、コテコテのフットボール(ここではあえてサッカーをフットボールと言う)ファンなのだが、今回の突然ともいえる日本人選手の移籍、しかも、同じクラブ(レッドブルザルツブルグ)に対して複数の日本人選手が同時に移籍すると言う快挙の裏には何があるのだろうか。もちろん、アレックスと宮本両人のフットボーラーとしての力量を、ザルツブルグ首脳陣が認めたと言うのもあるだろうが、大スポンサーである「レッドブル」のアジアマーケティング戦略の重要な一環であることは間違いない。

その証拠・・・というほどのものではないが、ほんの数ヶ月前、宮本選手が同チームに移籍を発表した際、レッドブルザルツブルグの広報は、日本のマスメディアに対して「“ザルツブルグ”と呼ばないで欲しい、我々のチーム名は“レッドブル・ザルツブルグ”だ。ここのところをきちんと表記してもらわないと困る」、と声色を荒立てていたらしい。

ところが残念な事に、宮本が移籍を発表するやいなや、各報道陣は「G大阪宮本、“ザルツブルグ”移籍へ!」という表記を主に選択して、大切な大切なスポンサー企業であるレッドブルの文字がすっぽりぬけてしまうことがほとんど、という事態に陥った。あるスポーツコラムでは、完全なレッドブルの失敗PRとして、本質を突いた記事が掲載されていた。

ひとりのフットボールファンとして、今回の両選手移籍が、ジャパンマネーのみを当てにしたマーケティングありきの移籍でないことを強く願う。特に、アレックス選手の「裏街道(詳細はスーパーサッカーを見よ!)」が今年は見られないのかと思うと、寂しさひとしおだ。

フットボールチームを買収して、マーケティング重要エリアの有力選手を囲い込む。レッドブル社のグローバルPR戦略に興味を強く一方、フットボールファンとしてのなにかくすぶるような気持ちが歯がゆい、今年の日本サッカー移籍市場だった。

レッドブルのPR戦略はさておき、両選手には是非実力をもって、今回の移籍価値を証明してほしいものだ。

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ザルツブルク加入の三都主「難しい選択だった」古巣の浦和で移籍会見