打開策なし?楽天 TBSの“安定株主”で提携模索

このところすっかり忘れていたトピック、そういえば楽天はTBSの株主だった。同じテレビ業界関連ニュースでも、ホリエモン騒動とあるある騒動などで随分とかすんで見えてしまうが、どうやら大方の予想の通り、楽天のメディア(吸収?)戦略は失敗に終わりつつあるように我々には映る。

今更説明するまでも無いが、ライブドア、楽天等の新興企業が突然テレビ局の株式を買いあさり、一躍大株主として躍り出るというニュースが何度も世間を騒がせた。その後ライブドアは例のごとく、楽天はというと当初の狙いだった業務提携話が頓挫している状況だ。今回のTBS株安定株主宣言(実際に宣言などないが、自社保有株への方針決定がなされたことからそう判断できよう)は、三木谷氏の目論見が事実上崩壊したことを露呈したようだ。

ネットと放送の融合を唱えてテレビ局にすりよった(喧嘩をうった?)企業はこれで全敗の様相だ。あくまで私の主観だが、やはりネット関連企業はテレビ局及びテレビ制作関係企業の論理を無視した一方的な提携話を持ちかける事が多い。代表的なのは「あなたの局の過去放送ライブラリーを弊社のサイトで放送しませんか?」というやつだ。そういう提携話をする企業は、過去放送ライブラリーが放送局にとって「金のなる木」であると同時に「ブラックボックスにしておく事で保つ事ができる権利ビジネスのマジノ戦線」であることへの理解が少ない。ちょっとテレビ局のビジネスモデルを勉強してみれば直ぐに分かるはずだと思うのだが。

実際、我々の周囲でもテレビ制作関係者との雑談で「ネットの企業はテレビの論理を理解しようとしてくれない」とはっきりいう人間は多い。もう一方では、「テレビサイドはネットビジネスに対してなんでこんなに冷たいんだ」という声も多数聞こえてくる。私自身、テレビ番組とIT企業のコラボ企画に数度立ち会ってきたが、「正直、業界が違うとこんなにも言語が通じなくなるものか」となんども切歯扼腕したものだ。

両者の思いがうまく擦り寄れる日はいつになるのだろうか。また、そういった大成功事例を作る事が出来る企業・局はどのあたりになるのだろうか。SNSをうまく使ったTBS深夜番組「オビラジR」を見たときは「もしかして!」と瞬間思ったものだったが・・・

◆◆ニュースソース◆◆

楽天 TBSの“安定株主”で提携模索 信託分10%も自社保有へ