常勤医師としての転職

常勤医師のメリットとデメリット

nomura03.jpg

常勤医師の就業形態

常勤医師とは、その名の通り「常に勤務している医師」を表します。一般企業で言えば、正社員と同じ扱いです。その病院で週4日以上の勤務を継続して就業している医師が、常勤医師と呼ばれます。医師を就業形態別に見てみると、そのほとんどが常勤医師に入ります。

常勤医師のメリットについて

常勤医師のメリットは、正規雇用であることから社会保険や福利厚生など加入できるので、安心して働けるという点でしょう。給料にしても安定しているので、最大のメリットといえます。
大手の病院で勤務すればそれなりの高収入になりますし、経験も得られます。病院が潰れるという話も昨今では聞かれるため不安を抱える医師も多いですが、万が一のときには失業保険ももらえるので、次の就職先にもつなげることができます。
また常勤医師には、専門科のスキルアップが望めるというメリットもあります。医師の世界は、とにかく新しい医療がどんどん出てきます。常勤だからこそその渦中にいつも身を置くことができ、最新の技術や治療方法などを学んで、さらに自分の腕を磨けるわけです。そして経験とスキルを活かし、もっと良い条件の病院に転職するという医師もとても増えてきています。
また独立を考えている医師であれば、有力な人脈を得る事ができるのも常勤医師のメリットとなるでしょう。いざ独立する際に、病院経営に関わる関係者を集めることもできます。情報収集は、独立を考えているならば必須です。独立医が成功するには人脈が最も大切とさえいわれますから、常勤医師として勤めながら得られるものは大きいでしょう。

常勤医師のデメリットについて

常勤医師には、デメリットもあります。そのうちの1つが、就業スタイルやライフスタイルを、病院での形態に100%合わせなければいけないということです。
その病院に当直があれば当直に出なければならないし、科によっては深夜での呼び出しなども当然あるでしょう。たとえ休日であっても心休まらないという常勤医師は、かなり多いのが実態です。もちろんそこに、医師としてのやりがいを感じる人もいるかもしれません。しかし過労からやりがいや生きがいを見いだせなくなっていく人が多いのも、増々労働条件が厳しくなり、ついには医療崩壊が叫ばれる近年の常勤医師の特徴として挙げられます。
医院経営者の方針として、労働環境を改善していく病院であれば、たとえ一時的には大変厳しい労働条件の職場だとしても、その中で自分のやりたいことを見いだせるかもしれません。しかし医師不足という社会状況もあり、それは現実的には非常に困難でしょう。医師という社会的に重責な職務で病院で勤務することに対し強い意志・思いを持っている人でないと、なかなか厳しい環境です。
またこれまで「病院は潰れない」と言われてきましたが、今は経営難に陥る病院も少なくはありません。安定を求めて常勤医師になっても、そういった不安を持っている医師は意外にも多いようです。転職する際にはそういった裏事情もよく知っておき、経営に不安のある職場は割けることが賢明でしょう。