自由な発想が奪われる?「あるある」捏造、再発防止のため法改正も

あるある大辞典Ⅱのやらせ問題は行政をも動かしつつある。放送法違反者に対する行政指導が、今後はより厳しい罰則を含めた措置を考えていくという事だ。こういった世の中の流れについて、私は多いに心配をしている。

今回のような露骨なデータ改ざんなどの悪質なやらせ番組に関しての罰則強化は仕方ないとしても、テレビというのはあくまでも「演出」を基にして出来上がっていくソフトだということを、門外漢のお偉いさん方がどこまで理解してくれるだろうか。

私自身は著書の中で「やらせ」と「演出」についてはきちんと境界線を引いておき、それぞれの明確な違いをテレビの作り手、受け手(視聴者)、更にいうなら、監督する立場である行政の人間もきちんと理解をしておかないとならないと考えている。そうでないと、過度な抑圧からクリエイターとしての作り手の表現手段が極端に狭まってしまう可能性があるからだ。結果、テレビは大変【つまらないソフト】と成り果て、業界全体が沈んでいくだろう。

また、「演出」そのものが悪として位置づけられてしまうと、テレビはただ単に事実映像を長回しして放送するだけの定点カメラと変わらなくなってしまう。今後テレビ業界はどうなっていくのだろうか、一抹の寂しさを感じてしまう。

◆◆ニュースソース◆◆

「あるある」捏造、再発防止のため法改正も…菅総務相