病院・医療・医薬品関連業マーケティングにおけるPR
病院・医療・医薬品関連業のプロモーションにおいて、薬事法等の医療関連法規による広告表現の「縛り」は、マーケティング及び宣伝担当者にとって非常に難しいものがあります。また、広告表記そのものに問題が無くとも、医療及び医薬関連のプロモーションは、マスメディア媒体側の広告審査が非常に厳しいという事実もあります。更に言うと、それら諸問題をクリアしたとしても、一般的に医療・医薬品関連サービス、商品の広告費用は非常に甚大なものになるケースが多くなっております(それでもまだ広告活動が出来るだけましでしょう。多くのケースではそれすらままならない現状があります)。
ところが更に近年では、一般市民「医療業界」に対する不信がこの上も無く高まってしまっている状況にあります。しかし、他の業種・業態に比べて広告活動を自由に行うことができない医療・医薬品関連業界は、一般市民の信頼を取り戻すための広告を発信することすらできません。業界の信頼度を上げるための広告が出来ないくらいなのですから、個々の医院・企業の認知及び集患目的のプロモーションを自由に行うことなどは、ある意味夢のまた夢といったような状況でしょう。
そこでまず、一部の頭の回転が速い医院・企業様は「広告に見えない広告」を出稿することをはじめました。企画広告と呼ばれる記事風広告や特集広告がその主なパターンです。また、「コラム」に似せてつくられたような広告も短期的に増えていきました。これらの企画広告はある期間成功を収めていましたが、段々、マスメディア媒体を見ている人々に「これは記事ではなくて単なる広告だ」と喝破されるようになってしまいました。
そして現在、「広告に見えない広告」は最終形とも言える「PR(マスメディア媒体に広告ではなく純粋な記事番組として出る)」が主流になってきました。完全な記事・番組としてマスメディア媒体に露出することは、メッセージに対するマーケティングターゲットの信頼度が高いだけでなく、「公共性を持ち最新医療技術であるからメディアは情報を紹介をしている」というイメージングを一般顧客に行うことが可能になります。現在では、企画広告を大きく上回り、多数のPRが各マスメディア上を飛び交っています。この傾向は今後より激しくなっていくことが予想されます。こういった理由からも、これまで(医療業界紙や学会機関誌等を除いて)一般的なマスメディアへの露出を行ってこなかった医療・医薬品関連業の方でも、今後はマスメディアPRを軽視するわけにはいかなくなっていくでしょう。
広告が使えない業界は広報(PR)が勝敗の鍵になる
広告が自由に活用できない業界はなにも医療・医薬品関連業界だけではありません。弁護士・税理士などの士業なども法律による縛りで自由な内容の広告を打つことは出来ませんし、学校法人、自治体などのように業界慣習から派手な宣伝広告を打つことが出来ない(望ましくない)業種もあります。こういった業界で広告の変わりに注目をされるのが広報(PR)によるメディア露出戦略です。マスコミ媒体の記事として露出する分には、宣伝臭もなく、非常に自然且つ影響力を大きく保ちながら、自社のアピールが可能になるからです。
特にこういった考え方を組織のトップから実践しようと考える企業・団体は、こぞってPR会社を雇い、積極的且つ戦略的にメディア媒体に記事・番組として露出する方向性を選択いたします。全く広告活動を行わないのに、やたらと医院や治療法等が有名だったりする事例は多く見かけます。こういった医院や企業は、非常に大きなプロモーション及び集客(患)結果をあげていることが多いです。
ただし、手練手管に長けたPR会社でもかなり苦労をするのが医療・医薬品業界であることも一方で事実です。人間の命を預かるサービス・商品を取り扱う情報をパブリックな媒体に掲載させるには、マスコミ側も大変な注意を取り計らう必要があるからです(特に署名記事を原則としているような媒体はその傾向が強いです)。
よって、マスコミ媒体で医療薬品関連の特集を組む場合には、法律知識のあるブレーンを含むかなりの人数を用意したチームを結成し、緻密且つ徹底的な裏付けとなるデータを用意して、それらに基づいた記事・番組を作成するという形になるのです。こういった理由で、プレスリリース1枚送ったくらいでなかなか記事になりにくい業界の代表格が、医療・医薬品関連業界であるといえるでしょう。
テレビ媒体では健康・医療関連番組が盛んにもてはやされているがその理由は?
「そうはいっても、テレビでは散々健康や医療をテーマした番組がレギュラーで放送されているじゃないか。そこにプレスリリースを送れば取り上げてもらえる可能性は大きいのではないか?」という疑問をお持ちの方も多いことと思います。しかし、そういった健康・医療をテーマにした番組のレギュラースポンサーになっている企業を調べてみれば、それら企業・団体のために番組の1から100まで(もちろん露骨でなく自然な形で)制作されていることがわかるでしょう。有名な某健康番組のスポンサーが、脂肪がつかない調理用油を販売している某大企業であるように。ですから、健康や医療を取り扱っている番組であるからといって、スポンサーの事業内容をよく調査しておかないと、単純にプレスリリースを送ったからと言って、番組素材として採用されるとは限らないのです(かえって確率は低いでしょう)。
スポンサー縛りはあるものの、プレスリリースよりはPRの方が確実
媒体への差込力があるPRですが、医療・医薬品に関しては「どんな案件でも簡単に差し込むことが出来る」というわけにはいきません。やはり困難はつきものであるのが当方のこれまでの経験からもはっきりとしています。しかし、媒体・タイミング・案件内容を慎重に調査した上でPRの可能性を探ってみると、御社が思っているより隙間をついたような形で、マスメディア露出機会が存在していることに気づきます。実現可能性がゼロに近い広告やプレスリリースを乱発するよりは何十倍もコスト・時間を抑えることができるでしょう。
自身はあえて一歩引いた視点で情報を発信する啓蒙型マーケティングPRが有効
PR企画を実行をする際にもひと工夫は必要です。例えば、医院や医薬品を前面に押し出した形の広報スタイルにせず、社会問題提起型の切り口で世論・データを収集しながら、同問題のソリューションの1つとして、対象の医院や医薬品を紹介するという啓蒙型マーケティングPRの形に納める方法などが代表例です。
コメンテーターとして「先生」を積極的にメディア露出させる
医院ならば自社の先生、医薬品等ならば同商品をプッシュしてくれる先生を選出し、コメンテーター等で人物PRを図っていく方法もあります。その先生をマスメディア媒体に効果的に露出することができれば、インターネット戦略等を効果的に組み合わせて、検索エンジン結果などから(最終目的の)医院・医薬品等へのサイトへアクセスを注入させると言う方法などが考えられます。このような点も踏まえて、総合的にメディアミックスプロモーションを緻密に考えておくのが成功の秘訣でしょう。
メディアブリッジコンサルティングはテレビ媒体に強いPR会社として、各種PR企画をはじめ、プレスパーティー、記者会見、啓蒙イベント等の経験も豊富です。テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、インターネット媒体への積極的露出を図って収益を上げたいとお考えの病院・医療・医薬品関連業の皆様は、是非1度お問い合わせを頂ければ幸いです。