MBC/PR会社創業物語 #03 「つまらないリリースはどんどん捨てちゃっていいから」

MBC/PR会社創業物語 03

大学時代をずっとTV制作現場をウロウロしながら過ごした僕は、卒業後にフリーディレクターという立場であちらこちらのTV制作現場で働いていました。流石に学生時代ずっとADで過ごした僕は、割と要領と人当たりが良いため、かなり年配のディレクターさん、プロデューサーさんに好かれるようになっていました(よく親父キラーといわれました。変な意味ではありません)。

 制作現場で番組企画にアイデアを多少なりとも取り上げてもらえるようにもなると、企業から制作現場に送られてくるプレスリリースの大部分を、(一応アシスタントの女性が分別した後に)僕の判断で「採用」「ゴミ箱直行」の選択をすることも多くありました。

上司:「ああ、吉池ちゃんさあ、つまらないプレスリリースはどんどん君が捨てちゃっていいから。本当に良さそうなのだけ企画会議にあげてね」

D吉池:「了解です(しかし・・・どのプレスリリースもつまらない。そもそもリリースの文面はどうしてこんなに工夫がなくってワンパターンなんだろう?俺がADを始めた頃からどの会社も全然変わってないよなあ。たとえ同じネタでも、俺ならもっと業界人が飛びつきそうなリリース文面にするのにねえ)」

 毎日200通近くものプレスリリースに目を通すようになると、益々ほとんどの企業のリリース文章の工夫の無さに辟易するようになってしまい、挙句の果てにはリリースのタイトルも全部読まずにゴミ箱に捨ててしまうようなこともありました。

 いや、今だから正直にいいますが、「忙しくて面倒くさい」という理由でロクに目など通していなかった事のほうが多かったのが事実かもしれません・・・(これは私に限ってのことではありませんでしたが)。

 また、制作現場が非常に忙しい時間帯、記者会見や取材にスタッフが出計らっている時間帯、挙句の果てには番組ロケが終了してから「今回の企画に弊社をどうか!」といったような、タイミングのずれた間抜けなコンタクトを行ってくる会社も数多く見ました。それどころかメディアのルールや慣習を知らないばかりに、制作サイドの怒りを買ってしまうようなプレスコンタクトやプレスリリースまでありました。そんな企業はあっという間に「ブラックリスト(絶対取材しないぞリスト)」にリストインでした。

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