捜索動員の全容
『歩兵第五聯隊遭難始末』傭役人夫員数表に基づく ── 1月28日〜6月20日(143日間)
31,535人日
民間人夫 延べ動員数(4カテゴリ合計)
※原文「延人夫」=同一人物が複数日従事した場合は日数分を加算した延べ人日
民間人夫 ― カテゴリ別 延べ動員数(延人夫)
常役
14,585人日
46.2%
日雇
6,381人日
20.2%
寄附
6,200人日
19.7%
特志
4,369人日
13.9%
カテゴリ延べ人数比率内容
常役14,585人日46.2%定期的に雇用された人夫。通路維持・物資運搬・炊事場運営等の基盤業務
日雇6,381人日20.2%日単位で雇用された人夫。遺体発見時の増員や悪天候後の復旧作業等
寄附6,200人日19.7%地元自治体・団体からの無償提供人夫。田茂木野村・幸畑村等の地域貢献
特志4,369人日13.9%自発的に志願した人夫。北海道アイヌ・開拓者が駒込川渓谷の最危険区域を担当
合計31,535人日100%※全て延べ人日。実人数ではない。軍人の動員数は別途。
その他の動員・費用データ
143日
捜索期間
1月28日〜6月20日
全7期
捜索実施期数
第1期〜第7期
6,576頭
馬匹(延べ)
1日平均75頭
346名
軍捜索隊患者
うち第五連隊334名(96.5%)
1名
捜索中の殉職
2月15日・駒込川での遺体引き上げ中
24.3km
電信線総延長
電報取扱数1,067通
355名
工兵動員
23日間・幕舎93棟・水柵3箇所
57,322圓
総費用
現代換算約6〜11億円
145,629圓
義捐金
現代換算約29億円
「延べ1万人」の誤りについて
傭役人夫員数表(原本頁160-161)
▲ 傭役人夫員数表(原本 p.160-161)クリックで拡大
多くの二次資料やウェブサイトでは捜索に「延べ約1万人が動員された」と記載されている。しかし一次資料『遭難始末』の傭役人夫員数表を集計すると、民間人夫だけで延べ31,535人日(延人夫=人日単位の累計)に達する。「1万人」は軍人のみの数字、あるいは特定期間のみの数字が独り歩きした可能性がある。

さらにこの31,535人日は民間人夫のみの集計であり、軍人(第五連隊・第三十一連隊・仙台第5砲兵隊・工兵第八大隊等)の動員数は含まれていない。実際の総動員数は民間・軍を合わせて更に大きい。

特志(4,369人日)のうち、北海道から自発的に参加したアイヌの人々と開拓者は2月10日〜4月19日の67日間にわたり、駒込川渓谷の最も危険な区域を担当した。「明治維新以来、天恩に浴した身として報恩の誠を尽くさん」と述べ、幼年者を含む家族ぐるみで参加した者もいた。